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法律問題コラム
景品表示法違反について
1 はじめに 某回転ずしチェーン店が、現在「新物!濃厚うに包み」等の広告をテレビCM等にて掲出していたにもかかわらず、キャンペーン期間中に食材不足を理由にキャンペーン商品を終日提供しなかった点について、問題となっています。
2 何が問題か? 広告品が実際販売されていない場合、「おとり広告」の問題がでてきます。 景品表示法第5条第3号の規定に基づく告示である「おとり広告に関する表示」は、端的に述べると、商品・サービスが実際には提供されないにもかかわらず、購入できるかのような表示をした場合について「不当表示」と規定しています。 お客さんとしては、広告されている商品内容に釣られて、その店舗に入店しています。にもかかわらず、広告商品がそもそも販売されていなかった場合には、いわゆる「おとり広告」に釣られたお客さんは購入したい商品を購入することができないにもかかわらず、別の商品を購入することを余儀なくされます。そして、これを放置しておくと、店舗での販売品と広告品とが大きく乖離する状況になってしまいます。そのようなお客さんの利益を保護するため、上記の法律は制定されております。
3 おとり広告の罰則 そして、おとり広告をしてしまった場合、まずは景品表示法によって是正命令が出されます。そして、販売店がこの命令に従わないときには、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金等の罰則を受ける可能性が出てきます(景品表示法第6条、同15条第1項・第2項)。
4 おとり広告と思われる状況が生じたときの対応 おそらく今回の某回転ずしチェーン店は、当初より広告品をお客さんに販売しない意図はなかったものと思われます。しかし、適切な対応をしなかったからこそ、「おとり広告」として問題となってしまいました。このような問題が生じないようにするためには、(1)まずは販売経路を十分に確保することが重要となります。もっとも、在庫を多く抱える危険性も出てきますので、(2)欠品等の事情で広告通りに商品を提供できない場合には、適時広告の掲載中止・変更を行う必要がありました。
5 さいごに 経営者の方であれば、広告をもとにお客さんが来ている状況のなか、広告を停止してしまうとお客さんが他所に流れてしまうのではないか、と不安になることもあると思います。しかし、本件のようなリスクがありますので、広告についても適切に対応する必要があります。 広告のことで何か疑問が生じたり、自分のしていることが大丈夫か不安になった場合には、一度弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所にまでご相談下さい。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィス 川岸 司佳
弁護士からの解答
1 はじめに
某回転ずしチェーン店が、現在「新物!濃厚うに包み」等の広告をテレビCM等にて掲出していたにもかかわらず、キャンペーン期間中に食材不足を理由にキャンペーン商品を終日提供しなかった点について、問題となっています。
2 何が問題か?
広告品が実際販売されていない場合、「おとり広告」の問題がでてきます。
景品表示法第5条第3号の規定に基づく告示である「おとり広告に関する表示」は、端的に述べると、商品・サービスが実際には提供されないにもかかわらず、購入できるかのような表示をした場合について「不当表示」と規定しています。
お客さんとしては、広告されている商品内容に釣られて、その店舗に入店しています。にもかかわらず、広告商品がそもそも販売されていなかった場合には、いわゆる「おとり広告」に釣られたお客さんは購入したい商品を購入することができないにもかかわらず、別の商品を購入することを余儀なくされます。そして、これを放置しておくと、店舗での販売品と広告品とが大きく乖離する状況になってしまいます。そのようなお客さんの利益を保護するため、上記の法律は制定されております。
3 おとり広告の罰則
そして、おとり広告をしてしまった場合、まずは景品表示法によって是正命令が出されます。そして、販売店がこの命令に従わないときには、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金等の罰則を受ける可能性が出てきます(景品表示法第6条、同15条第1項・第2項)。
4 おとり広告と思われる状況が生じたときの対応
おそらく今回の某回転ずしチェーン店は、当初より広告品をお客さんに販売しない意図はなかったものと思われます。しかし、適切な対応をしなかったからこそ、「おとり広告」として問題となってしまいました。このような問題が生じないようにするためには、(1)まずは販売経路を十分に確保することが重要となります。もっとも、在庫を多く抱える危険性も出てきますので、(2)欠品等の事情で広告通りに商品を提供できない場合には、適時広告の掲載中止・変更を行う必要がありました。
5 さいごに
経営者の方であれば、広告をもとにお客さんが来ている状況のなか、広告を停止してしまうとお客さんが他所に流れてしまうのではないか、と不安になることもあると思います。しかし、本件のようなリスクがありますので、広告についても適切に対応する必要があります。
広告のことで何か疑問が生じたり、自分のしていることが大丈夫か不安になった場合には、一度弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所にまでご相談下さい。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィス
川岸 司佳