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法律問題コラム

 

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ご質問内容

貞操権侵害とは?

弁護士からの解答

貞操権侵害とは?
「独身と聞いていた相手と真剣に交際していたが、実は既婚者だった」、「妻とは離婚予定だと言われ交際していたが、実は別れるつもりもなく、突然相手から別れを告げられた。」などで、どうしたらよいのか、悩まれている方がおられると思います。
 このような場合、「貞操権侵害」として、交際相手に慰謝料を請求することができる場合があります。
 どのような場合に貞操権が侵害されたと言えるのか、また、相手に慰謝料を請求することができるのか、お話します。

1 貞操権侵害とは
「貞操権」とは、「性的な関係を結ぶ相手を自分で選ぶ権利」、または、「自己の意思に反して性的な侵害を受けない権利」のことをいいます。
「貞操権侵害」とは、人はみんな、自分が性行為をするかどうか自由に決定できる「貞操権」という権利を持っていますので、意思に反して性行為をさせられた場合は、「貞操権侵害」となり、不法行為が成立します。
このように、不本意な相手と肉体関係を持ってしまった場合は、相手に損害賠償の責任を追及することができます。(民法第710条)
しかし、相手が既婚者であって騙されていたとしても、「貞操権侵害」にならない場合もありますので、注意が必要です。

2 貞操権侵害で慰謝料を請求できるケース
⑴性的関係があった。
貞操権侵害となるには、性的関係(肉体関係)があったことが重要となります。
たとえ、交際していても、プラトニックな関係であれば、基本的に貞操権侵害となりません。
ただ、肉体関係がなかったとしても、それに近い行為(性交類似行為)があれば、貞操権侵害と認められる可能性もあります。

⑵男性側の悪質性が著しく強い。
男性側に悪質性が著しく強いことが必要です。
例えば、次のような事情があった場合には、貞操権侵害と認められる可能性があります。
・相手があなたに対して、未婚・独身であると騙す言動をしていた。
・相手と結婚相談所・婚活サイトなど結婚を前提とする交際相手を見つける方法で知り合った。
・相手が積極的に男女交際を誘った。また、交際関係の維持・継続に積極的であった。
・相手が結婚するつもりであるなどと言っている。
・相手との子を妊娠・中絶・流産・出産した。
・女性(あなた)が未成年であり、判断能力が不十分である。

3 貞操権侵害で慰謝料を請求できないケース
次のような場合は、貞操権侵害とは言えず、慰謝料が請求できない可能性があります。
・相手の男性とは、プラトニックな関係で、肉体関係(性交渉・性交類似行為)を行う関係ではなかった。
・相手が既婚者であることを知っていた。また、十分知ることができる状況であったが、「だめだ」と思いながら性行為をともなう交際を継続した。 
しかし、相手から配偶者と離婚してあなたと再婚するつもりであるなどと言われ騙されていた場合は、貞操権侵害となる可能性があります。
・相手から結婚の話をされたことがない。また、相手が結婚を考えていないことを知っていた。
・あなた(女性)側から積極的にアプローチして交際や性行為を誘った。
・相手は、「独身」「未婚」と言っていないのに、女性の方が勝手に信じ込んだ。
 
4 既婚者と知っていながら交際を続けた場合のリスク
 交際当初は、交際相手が独身と思っていたところ交際中に既婚者と判明したが、相手と別れることができずに交際を続けてしまった場合は、どのようなリスクがあるのでしょうか。
 既婚者が配偶者以外の異性と性的行為をすることは、「不貞行為」となります。
 「不貞行為」は、配偶者に対する不法行為に当たり、また、不貞行為をした相手側も、家庭の平穏を壊したとして、不法行為が成立します。
 交際相手が既婚者とわかっても別れずに不倫行為を続けていると、故意に不倫を行ったこととなり、相手の配偶者から、不法行為による慰謝料を請求される可能性があります。
 交際相手が既婚者とわかったならば、たとえ別れるのが辛くても、別れてリスクを避けることをお勧めします。

5 慰謝料請求の注意点
⑴慰謝料請求するには期限があります。
 貞操権を侵害されたことを理由に、相手男性に対して慰謝料を請求するには期間が限られています。
①貞操権侵害の事実と侵害した者(相手男性)を知ってから3年間
 女性が、自分が貞操権を侵害されたこと及び相手男性が誰であるかを知ってから3年が過ぎると、慰謝料の請求する権利が時効により消滅し、請求できなくなります。
➁貞操権の侵害から20年
 女性が貞操権侵害の事実や侵害した者(相手男性)を知る知らないに関係なく、貞操権の侵害があってから20年を過ぎると、慰謝料請求権が消滅し、請求できなくなります。
⑵相手男性の配偶者(妻)から慰謝料を請求される可能性がある。
 相手男性が既婚者である場合は、不貞行為として、その相手の配偶者(妻)から慰謝料を請求される可能性があります。

このように、独身と信じて交際していた相手が、実は既婚者だったとわかった時は、大きなショックを受けられるものと思います。
交際相手が既婚者だったことがわかった場合、相手男性に慰謝料の支払いを求めても、真摯に対応してくれるとは思えません。
また、他人に相談しづらいことでもあり、誰にも相談できないまま、どうしたら良いのか悩まれ、一人で抱え込み、ストレスを感じられていると思います。
 そんな時、どうしたら良いのか、相手男性に慰謝料を請求できるのかなどを弁護士に相談することで、精神的に少しは楽になるものと思われます。
 貞操権侵害で慰謝料を請求できるのか確認したい方や、このような男女トラブルで今後どのように対応していけばよいのか、
お悩みの方は、一人で悩まず、当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィスにご相談ください。
 経験豊富な弁護士が、適切なアドバイスするとともに、スピーディーに対応し、解決致します。

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