少年事件

お子様が逮捕された場合、当事務所にすぐにご連絡下さい。
少年(未成年者)が逮捕された場合、少しでも早期に釈放させることで、少年の身体拘束による精神的負担を軽減することができ、また、今後の少年の更生に向けて少しでも早く対応することが可能となります。早期の釈放にあたっては、迅速な対応が何より重要となってきます。

弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所では、少年事件の経験豊富な弁護士が少年の更生に向けて、少年やそのご家族と一緒に考えてまいります。まずは、お気軽にご連絡下さい。

少年事件について

少年事件とは

家庭裁判所は、罪を犯した少年等に過ちを自覚させ、更生させることを目的として、少年の調査、審判を行い、処分を決定します。少年法が適用されます。
少年の調査は、家庭裁判所に所属する「調査官」が、少年、及び少年が起こした事件の背景(少年の普段の生活環境)等を調査します。少年の私生活上の問題点を明らかにするため、場合によって少年は、鑑別所にて、鑑別所職員より、その生活態度等の調査を受けます。
また、審判は、少年の再非行を防止することを目的として、本当に少年に非行があったかどうか確認のうえ、非行の内容や、少年の抱える問題点等に応じた処分を選択するための手続きです。処分の内容は、基本的に少年の更生を目的に、保護観察や、少年院送致等が決定されます。

少年法の目的

少年法とは、非行少年に対する処分やその手続きなどについて定める法律です。少年法の条文(第1条)では、少年法の目的を「非行のある少年に対して性格の矯正および環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずること」としています。
少年法は、少年の更生を目的にしており、罪に対して罰則を科すことも目的とする刑事訴訟法(いわゆる刑事手続きを記した法律)の特則となります。

少年とは

少年法の適用対象について

少年事件の適用される、つまり少年法における「少年」とは、20歳未満の者を言います。
確かに、民法の成年年齢の引き下げにより、18歳で成人式が開催される等、18歳及び19歳の者も「成人」として扱われるようになっておりますが、少年法上は、18歳・19歳の者についても、なお成長途上になり、罪を犯した場合にも、適切な教育や処遇による更生が期待できることから、「特定少年」とされ、少年法の適用対象とされています。もっとも、特定少年については、その立場に応じた取扱いをするため、17歳以下の少年とは異なる特例が定められています。
なお、少年事件では、女性についても、「少年」と称され、「少女」とは称されません。

少年法の対象となる少年について

家庭裁判所が少年事件として取り扱う少年の種類は以下のとおりです。

犯罪少年

罪を犯した14歳以上20歳未満の少年をいいます。
犯罪少年が、少年事件の大半を占めます。そのため、この手続きについて、後述します。

触法少年

刑罰法令に触れる行為をしたが、その行為の時14歳未満であったため、法律上、罪を犯したことにならない少年を言います。
14歳未満の者については、一律に刑事責任能力に欠けるとして、つまり「自分が悪いことをしているとの認識も十分に判断できない可能性がある以上、刑事処罰することに効果が見いだせない」として刑法上処罰されません。
14歳未満の刑事未成年者であっても、刑罰法令に触れる行為があった場合には、下記のとおりの対応がされます。
14歳未満の触法少年について、警察官は、事件の調査をすることができ、少年に対して取調べ(質問)をすることができます。この場合、少年の保護者や弁護士等の付添人の立会いを求めることができます。これは、少年が誘導等で自白を強要され、真実に反する事実を前提とする処分がなされることを防ぐためです。
また、警察での調査後、触法少年と判断された場合には、児童相談所に事件が送られ、児童相談所で判断されます。(後述のとおり、14歳以上の少年事件の場合、児童相談所に送致されることなく、家庭裁判所に送致されるため、この点大きく異なります。)そして、児童相談所では、指導措置や、児童福祉施設などの入所措置、家庭裁判所への送致等の処遇が言い渡されます。もっとも、家庭裁判所に送致された場合であっても、12歳未満の場合には、少年院に送致されることはありません。

虞犯少年

18歳未満で、保護者の正当な監督に従わない等の不良行為があり、その性格や環境からみて、将来罪を犯すおそれのある少年を言います。犯罪予備軍と呼ばれる少年を保護し、犯罪に走るのを未然に防ぐことを目的としています。
「虞犯」の例としては、深夜徘徊や無断外泊等、保護者の正当な監督に服しない性癖のあること、家出等正当の理由なく家庭に寄り付かないこと、暴走族・暴力団への加入等犯罪性のある人、もしくは不道徳な人と交際し、またはいかがわしい場所に出入りすること、援助交際及び風俗店勤務等、自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖があること等が挙げられます。
虞犯少年の場合、犯罪少年と異なり、罪を犯したわけではないので、逮捕されることはありません。
虞犯少年の場合、警察が補導したり、少年の親権者が警察に相談したりしたことを契機に、警察による虞犯調査が開始します。警察は、虞犯少年本人、保護者、及び参考人等を警察署に呼び出し事情聴取をする等して、虞犯少年の問題行動、そのきっかけ、少年の性格、家庭環境、交友関係等について、広く調査をします。
そして、14歳未満の虞犯少年については、保護者がいないとき又は、保護者に監護させるのが不適当であると認められるときには、警察は児童相談所に通告します。また、14歳以上18歳未満の虞犯少年については、「保護者がいない又は保護者に監護させることが不適当と認められ、かつ、福祉措置に委ねるのが適当と認められるときは、児童相談所に通告します。その一方で、警察が、家庭裁判所の審判に付すのが適当と考えた場合は、家庭裁判所に送致します。

少年事件(犯罪少年)のおおまかな流れ

1. 少年事件の発生

2. 警察官・検察官等から家庭裁判所へ送致

被害者の通報や、職務質問等で、警察が少年に対して犯罪の嫌疑が生じると、警察官は、その事件について捜査を開始します。
犯罪少年の場合、この段階では、成人と同様に「被疑者」として捜査を受けます。つまり、逃亡のおそれがある場合や証拠隠滅の可能性がある場合には、逮捕されますし、成人と同様に、警察署内の留置施設にて最大20日間の勾留もされます。
もっとも、成人の被疑者の場合には、検察官が最終的に起訴とするか不起訴とするか判断しますが、犯罪少年の場合には、全件送致主義のもと、家庭裁判所に送致されます。

3. 家庭裁判所での対応

(1) 事件の受理・審判の開始決定

上記の経緯のとおり、家庭裁判所が少年事件を受理する方法は、警察官や警察官からの送致がほとんどです。なお、管轄となる家庭裁判所は、少年の住居又は非行があった場所を管轄する家庭裁判所です。また、家庭裁判所は必要があると認められるときは、管轄のある他の家庭裁判所に事件を送ることができます。
家庭裁判所は、事件を受理すると、審判を開始するかまず決定します。
少年審判の目的は、少年の更生になります。そのため、家庭裁判所に送致された段階で、すでに少年が更生していると家庭裁判所が判断した場合には、そもそも家庭裁判所は少年審判を開始せず、少年審判を不開始とする決定を出します。

(2) 少年鑑別所、家庭裁判所の調査官による調査
少年鑑別所

家庭裁判所は、事件を受理したときに、少年を少年鑑別所に送致することがあります(観護措置)。少年鑑別所の目的は、以下の3つです。
① 家庭裁判所等の求めに応じ、鑑別を行う
② 観護の措置がとられて収容している者等に対して観護措置を行う
③ 地域社会における非行及び犯罪の防止に関する援助を行う
少年の処分を適切に決めるために、様々な心理検査等が行われます。
また、学校のような施設内での少年たちの活動を、作業内容中に留まらず、生活態度の一つ一つまで、鑑別所職員が確認して、報告書作成の資料とします。
少年鑑別所に収容される期間は、通常4週間ですが、一定の事件で証拠調べが必要な場合には、最大で8週間まで延長することがあります。

家庭裁判所の調査官による調査

家庭裁判所の調査官とは、心理学、教育学、社会学といった行動科学の知識や技法と法律知識を活用して、家庭内の紛争解決や非行少年の立ち直りに向けた調査を行うことを職務としています。少年事件では、少年自身の性格及び行動の問題の他、少年が事件を起こした背景に、少年の家庭環境や社会環境等の様々な事件を誘発させた要因が絡み合っていることが多く、その事件における非行の経緯等を適格に解明したうえで、その少年が再度非行を起こすことを防ぐための方法を検討する必要があります。そのため、家庭裁判所には家庭裁判所調査官がおかれ、少年にとって適切な処分が選択されるよう調査が行われます。
家庭裁判所調査官は、少年の性格、普段の生活、成育歴等について、心理学、教育学、社会学等に関する専門知識を活用し、調査を行います。調査方法としては、少年、保護者及び関係者を家庭裁判所に呼び出して、面接をしたり、心理テストを行う等の方法があります。また、家庭訪問をしたり、少年の通う及び通っていた学校等に調査をすることもあります。
家庭裁判所調査官は、少年の非行の内容や生活状況、家庭の状況等を調査していく中で、少年の抱える問題点や非行の原因等を明らかにし、関係機関に照会した結果等を踏まえて、取りまとめた調査結果を報告書として裁判所に提出します。

(3) 審判
参加者

審判には、裁判官、少年、保護者、少年付添人、家庭裁判所調査官が出席します。
必要がある場合には、学校の先生や雇用主も出席します。また、少年の主張する事件事実が、捜査機関側の主張する事実と異なってくる場合には、事実認定のために必要がある場合には、家庭裁判所の判断で検察官を出席させることがあります。
なお、成人の刑事裁判と異なり、公開ではないので、一般の方が傍聴をすることはできません。

少年審判

少年審判は、捜査機関側の主張する犯罪事実を、本当に少年が非行したのか確認したうえで、非行の内容や個々の少年の抱える問題等に応じた適切な処分を選択する手続きです。審判は家庭そのものが、少年の再非行防止に向けた教育機能を果たすため、少年に対して非行の重大性等を理解させて反省を深めさせる必要があります。
また、少年審判は、少年の抱える問題点を適切に把握するために、少年や保護者に対して、非行の動機や、少年の成育歴、家族関係、学校・職場での様子等について自発的発言を促し、その詳細を明らかにします。
そして、最終的に、裁判官が、少年審判において、少年が再び非行に及ばず、更生するための適切な処分を決定します。

(3) 審判
参加者

審判には、裁判官、少年、保護者、少年付添人、家庭裁判所調査官が出席します。
必要がある場合には、学校の先生や雇用主も出席します。また、少年の主張する事件事実が、捜査機関側の主張する事実と異なってくる場合には、事実認定のために必要がある場合には、家庭裁判所の判断で検察官を出席させることがあります。
なお、成人の刑事裁判と異なり、公開ではないので、一般の方が傍聴をすることはできません。

少年審判

少年審判は、捜査機関側の主張する犯罪事実を、本当に少年が非行したのか確認したうえで、非行の内容や個々の少年の抱える問題等に応じた適切な処分を選択する手続きです。審判は家庭そのものが、少年の再非行防止に向けた教育機能を果たすため、少年に対して非行の重大性等を理解させて反省を深めさせる必要があります。
また、少年審判は、少年の抱える問題点を適切に把握するために、少年や保護者に対して、非行の動機や、少年の成育歴、家族関係、学校・職場での様子等について自発的発言を促し、その詳細を明らかにします。
そして、最終的に、裁判官が、少年審判において、少年が再び非行に及ばず、更生するための適切な処分を決定します。

(4) 処分の決定
処分の種類

少年審判の処遇として、(ア)保護処分決定としての①保護観察、②少年院送致、及び③児童自立支援施設送致、(イ)試験観察、(ウ)検察官送致、並びに(エ)知事又は児童相談所送致、等があります。

保護観察

保護司さんの指導や監督を受けながら、社会内で更生できると判断された場合には、この処分が言い渡されます。自宅での生活が可能となります。

少年院送致

再非行のおそれが強く、社会内での更生が難しい場合には、少年院に収容して矯正教育を受けさせます。少年院では、再び非行に走ることの無いように,少年の内省を深めるとともに、謝罪の気持ちを持つように促し、併せて規則正しい生活習慣を身に着けさせるために教育・指導が行われます。

児童自立支援施設送致

低年齢の少年について、開放的な施設での生活指導が相当と判断された場合には、児童自立支援施設等に送致します。文字通り、少年の自立を支援する施設への入所となります。

試験観察

少年に対する処分を直ちに決めることが困難な場合には、一定期間調査官の観察に付して、調査官が少年に対して、更生のための助言や指導を行いながら、少年の対応を観察し、その観察結果を踏まえて裁判官が最終的な処分を決定します。
なお、試験観察を民間施設等に委ねる場合を補導委託と言います。

検察官送致

犯行時14歳以上の少年について、その非行歴、心身の成熟度、性格、事件の内容等から、保護処分よりも成人と同様に刑事裁判によって処罰するのが相当と判断された場合には、事件を検察官に送致することがあります。
検察官送致を受けた検察官が、原則的に少年を起訴することになります。
なお、①少年が故意の犯罪行為により被害者を死亡させ、犯行時に16歳以上であった場合、②死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役もしくは禁固に当たる罪の事件であって、その罪を犯すとき18歳以上であった場合、原則として事件を検察官に送致しなければなりません(原則検察官送致)。

知事又は児童相談所送致

少年を児童福祉機関の指導に委ねるのが相当と認められた場合には、知事又は児童相談所長に事件を送致します。

4. 抗告

家庭裁判所の裁判官が決定した保護処分決定(保護観察、少年院送致、児童自立支援施設等)に対して、不服がある場合は、少年、その法定代理人又は少年付添人から高等裁判所に不服の申立てをすることができます。

少年付添人について

弁護士は、少年付添人として、少年と積極的に話し合いを行い、少年に寄り添って、少年の内省を深め、少年が更生するよう対応していきます。
また、被疑者段階での早期身体拘束からの解放、少年審判に向けての準備、及び少年審判での対応等について、少年が可能な限り更生し、その点を裁判官、家庭裁判所調査官、鑑別所職員等に誤解を与えないよう、かつ十分に理解いただくように少年に助言をしていきます。
また、当然、上記手続きの説明や、「今こういう状況で、今後こうなっていく」という展望等についても説明していきます。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所は、少年事件を多く取り扱っております。お子さんが何かしらの犯罪を起こしたのではないか、と少しでも不安になられた親御さんは、一度弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィスまでお気軽にご相談下さい。
弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィスでは、初回相談料無料を実施しております。

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