弁護士ブログ
2023/03/25
自首と出頭との違い
テレビのニュースなどで、「○○事件で犯人が警察に出頭した、または自首した」という言葉を聞かれたことがあると思います。
自首と出頭は同じことのように思われますが、実は大きな違いがあります。
自首と出頭の違いについて、説明します。
1 自首とは
犯罪行為を行った者が、犯罪事実や犯人が誰か分かっていない段階で、自ら捜査機関に対して、犯罪事実を申告し、処分を求めることを言います。
刑法に、自首が成立すると、行った犯罪について法的な処罰が軽減なされると規定されています。
➀ 自首の成立条件
自首が成立するためには、次のいずれかの条件を満たす必要があります。
ア 犯罪行為そのものが捜査機関に発覚する前であること
犯罪行為があったことを捜査機関が知らない段階で、捜査機関に犯行を告白すると自首となります。
イ 捜査機関が犯人を把握する前であること
捜査機関が事件の発生を把握したものの、犯人がまだ誰か分からないときに、自ら犯人と名乗り出ることで、自首となります。
2 出頭とは
捜査機関が、既に犯罪行為を認知し、その犯罪の被疑者が特定されている段階で、自ら捜査機関に出向くことを言います。
つまり、指名手配されている場合や警察等の捜査機関から自首を呼びかけられ、その呼びかけに応じて捜査機関に出向いた場合は、自首ではなく、出頭となります。
出頭の場合、処罰が軽減されることなどはありませんが、被疑者の逃亡や証拠隠滅のおそれが低いとみなされ、逮捕されない可能性や逮捕されても勾留されずに身柄が解放される可能性があります。
3 自首と出頭の違い
自首と出頭の違いは、犯罪事実や犯人が誰かわかっていない段階か、既に犯罪事実や容疑者が発覚している状態かにより、自首となるか、出頭となるかにわかれます。
自首となった場合、刑の軽減の可能性がありますが、出頭の場合はありません。
4 自首した後の刑事事件の流れ
警察署等の捜査機関に出頭し、自首が成立した場合は、次のような流れになります。
➀ 事情聴取
まず、自首した際、事情聴取が行われます。
事件の内容や被害届の有無の確認等が行われます。
➁ 自首調書の作成
本人の供述に基づいて自首調書を作成します。(刑事訴訟法第241条2項)
➂ 取調べ
自首調書を作成後、通常の刑事事件と同じように刑事手続きが進められます。
警察官等の捜査機関は、逮捕の理由と必要性を判断します。
逮捕する場合は、裁判所に逮捕状を請求します。
➃ 起訴の判断
検察官は、事件を起訴するか、判断します。
起訴となれば、刑事裁判手続きに移行されます。
以上、お話したとおり、自首と出頭では、その後の処分等に大きく影響してきます。
刑事事件を起こし、いつ警察からの捜査が自分に及ぶのか、ご心配されている方は、早期の対応が重要ですので、弁護士にご相談されることをお勧めします。
当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所では、警察署への自首や出頭に、弁護士が同行して、ご依頼者様をサポートします。
不安を抱えておられる方や自首や出頭を決意された方は、当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィスにご相談ください。
当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィスでは、刑事事件に強い、経験豊富な弁護士が、迅速に対応致します。
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