弁護士ブログ
2023/04/18
遺産分割に関する法改正
所有者不明土地の解消に向けた民事法の見直しが進行しており、令和5年4月1日、民法における遺産分割のルールが変わりました。
その趣旨は、遺産分割未了のまま年月が経過すると、相続が繰り返されて多数の相続人による遺産共有状態を招き、遺産の管理処分が困難となるため、所有者不明土地の発生予防に資するという点にあります。
改正法では、➀相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、具体的相続分(特別受益や寄与分を考慮した相続分)ではなく法定相続分によるものとされる。
これは、具体的相続分による分割を求める相続人に早期の遺産分割請求を促す効果を期待し、時間の経過によって具体的相続分による分割の利益を消滅させ、画一的に法定相続分を基準に円滑な分割を可能とするためです。
ただし、例外も定められており、➊10年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき、❷10年の期間満了前6か月以内に遺産分割請求ができないやむを得ない事由があった場合において、当該事由消滅時から6か月経過前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたときは具体的相続分による遺産分割が可能となっています。
なお、②令和5年4月1日(改正法施行日)前に被相続人が死亡した場合の遺産分割についても、新法のルールが適用されます。
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弁護士 牟田 功一
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