福岡県では、養育費の取り決めで作成した公正証書等の費用や養育費保証契約の保証料について、補助金を交付しています。
「養育費」とは、こどもが経済的・社会的に自立するまでにかかる衣食住や教育、医療などに要するお金を言い、こどもの健やかな成長にとって、極めて重要なものです。
離婚により、こどもと一緒に暮らす親だけでなく、こどもと離れて暮らすことになった親も、こどもの親であることに変わりはなく、こどもの成長を支えるという親の責任も変わりません。
離れて暮らすことになる親も、こどもに対して自分と同じ水準の生活ができるようにする義務があり、こどもと一緒に暮らし、日常の世話や教育を行う親は、他方の親から養育費を受け取ることができます。
養育費を支払うのは、親としてこどもに対する最低限の義務であり、離れて暮らす親と子を結ぶ絆、親子の証となるものです。
離婚後のこどもの養育費の分担については、民法において、こどもの利益を最も優先して考慮し、父母が協議して定めることとされています。
離婚後、父母の双方が親として、こどもの成長を経済的に支えるためにも、離婚する時には、養育費の支払いについて、きちんと取り決めしておくことが重要です。
そこで、福岡県では、離婚時の養育費に関する取り決めを促すとともに、養育費不払いの解消を図るため、公正証書等の作成に必要な費用や養育費保証契約の保証料について、補助を行っており、ひとり親家庭の養育費確保を支援しています。
1 公正証書等作成支援事業
ひとり親が養育費を確実に受け取るためには、父母の間で、「強制力の書面(公正証書等)」を取り交わすことが有効です。その教育費に関する公正証書等の作成に必要な費用に対して、補助金を交付しています。
「公正証書等」とは、強制執行認諾約款付公正証書、調停調書、審判書、判決書、和解調書など、債務名義としての効力を有するものとなります。
・対象者
県内の市町村に居住するひとり親家庭の母または父
・対象となる公正証書等
令和4年4月1日以降に作成された公正証書等
・対象となる経費(申請者本人が負担したもの)
公証人手数料、収入印紙代、戸籍謄本等添付書類取得費用、連絡用の郵便切手代など、
養育費請求に関連する費用に限ります。
調停等で弁護士等を立てた際にかかる経費は対象外。
・補助額
・対象経費の全額(上限3万円)
(福岡市、北九州市の場合は上限5万円、市町村により異なるため確認が必要です。)
・1人1回限り
・必要書類
・児童扶養手当証書の写し(受給している場合)
・申請者本人及び対象児童の戸籍謄本又は妙本及び世帯全員の住民票の写し(交付日から3カ月以内のもの)
・補助対象経費の領収書など(宛名、領収年月日、領収金額、取引内容、領収者の住所、氏名、領収印があるもの。官公庁発行のものはレシートで可
・公正証書等の写し
2 養育費保証支援事業
ひとり親が、保証会社と養育費保証契約を締結することで、養育費が支払われなくなった場合に保証会社からの立替払いを受けることができるようになります。
その保証会社と養育費保証契約を締結した場合の保証料など支出した経費に対して、補助金を交付しています。
・対象者
県内の市町村に居住するひとり親家庭の母または父
児童扶養手当の支給を受けているか、又は同様の所得水準にあることが必要です。
・対象となる養育費保証契約
令和4年4月1日以降に締結した養育費保証契約
・対象となる経費(申請者本人が負担したもの)
保証会社と1年以上の養育費保証契約を締結した保証契約料で、初回契約時のものに限ります。
・補助額
・上記保証料と5万円を比較して少ない方の額
・1人1回限り
・必要書類
・児童扶養手当証書の写し(受給している場合)
・申請者本人及び対象児童の戸籍謄本又は妙本及び世帯全員の住民票の写し(交付日から3カ月以内のもの)
・補助対象経費の領収書など(宛名、領収年月日、領収金額、取引内容、領収者の住所、氏名、領収印があるもの。官公庁発行のものはレシートで可)
・公正証書等の写し
・養育費保証契約書の写し
以上のとおり、福岡県においては、養育費の確保のための支援事業を行っております。詳細については、直接、
福岡県福祉労働部こども未来課こどもの育ち・ひとり親支援係
電話 092-643-3257
にお問い合わせください。
当弁護士法人山本・坪井綜合法律事務所福岡オフィスでは、離婚に関する養育費、親権、面会交流等、多くの離婚問題を解決しております。
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